2011年4月25日

吉野杉の樽(タル)に使う輪竹(わだけ)の束

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吉野杉の木樽を作るためには吉野材の樽丸と底蓋に加えて、割った竹が必要です。
木製の酒樽に使う竹といえば、かつては京都の鳴滝から大山崎付近の物を使うべし
と言われていましたが、最近では主に神戸の六甲山の裏から切り出した物を割っています。
時には佐渡島や名古屋、或いは九州、四国から輸送したりもします。
というのも、丸い原竹その物は全国で処理に困る程増えて来るのですけれど、
それを写真のように直ぐに酒樽のタガに使う事が出来る形に加工する職人が激減しております。

日本人に密接していた竹を現代人は使わなくなってきてしまいバランスが崩れてしまったのです。



2011年4月23日

木製樽を並べて用水桶に見立てる

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時代劇に欠かせない道具の一つに防火のための「用水桶」があります。
太秦の撮影所などには本物があるでしょうが、今回は店舗前の展示用に。
梱包してしまったので、よく見えませんが、
わざと古い箍(たが)を巻いた大きな木製樽(四斗樽)を二つ並べた上に
一番小さい五升樽を五つ重ねて似た雰囲気を出しました。(この上へ更に屋根を付けるそうです)
そんな訳で「樽屋竹十」の倉庫で眠っていたデッドストックの小さい樽を古色を残して再生したのです。
この小さい樽は元々、奈良漬用に大量に作っていた物なのですが、ある頃に突然需要が無くなった特殊な樽です。
酒用の樽に向かない悪い吉野杉を貯めておいて作った木製樽で、夏の閑散期の仕事つなぎになっていた名残です。
数十年経過していて、施主様の御希望と丁度一致しました。
これは完全に「桶屋」がする仕事なのですけれど、
桶屋が殆ど無くなってしまった今となっては「樽屋」がその仕事を代りにせざるを得ません。

DSCF0016.JPG依頼書の参考写真

2011年4月12日

東日本大震災の御見舞い申し上げます

東日本大震災により被災された皆様に心より御見舞い申し上げます。
また、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

��995年の阪神淡路大震災の折、震源地に近い神戸市灘区に位置する弊店も、
大きな被害を受けました。しかし、震災後全国から温かい御援助や御支援をいただき、神戸の街もなんとか復興を遂げ、おかげさまで弊店も樽造りを再開することができるようになり現在に至っております。

かつて、被災地の方々から沢山の漬物樽や味噌樽、あるいは酒樽の御注文を頂戴して、
喜んでもらえました。
東日本の皆様の現在の生活を心配いたしております。
震災から一ヶ月、今頃が一番たいへんな時期かも知れません。