2010年8月13日

江戸の漬物樽(たる)

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「四季漬物塩嘉言(しおかげん)」またの名を「漬物早指南」小田原屋主人著、天保七年刊

長らく稀覯本でしたが、最近はWEB上で本文だけは読む事が可能になりました。
これにより、容易に江戸時代の漬物を復元する事が出来ます。
当然、その時の容器は江戸時代と同じ製法に戻した「たるや竹十」の漬物樽です。
決してプラスチック容器を使わないようにお願いします。
江戸時代は杉樽(たる)そのものの通気性と自浄作用に頼り、
当然ながら、化学的保存料などは一切使っていなかったので、
予期しない変化が起こるかも知れませんから。

平安時代中期の「延喜式」に様々な漬物の記述が見えますが、
近世以降、漬物は種類が増え、江戸末期には容器として現在の漬物の樽(たる)の原型が完成しました。
この挿絵の頃は未だ、樽(たる)というよりも寸胴型の「桶(おけ)」に近いものです。

「肩陰によりて当座漬けの茄子に生醤油を掛けて、膳なしにひえ……….......」
井原西鶴の浮世草子『好色一代女』巻一、天和二年(1682
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客が少ない遊女の粗末な食事を漬物(つけもの)にかけて表しています。

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