2008年9月30日

酒樽(さかだる)の引札

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「引札(ひきふだ)」とは現代でいうところのチラシです。
今だったら、チラシは直ぐに捨てられる運命にありますが、
江戸期には木版、明治から大正期には石版で刷られた楽しい印刷物なので、
宣伝用のチラシですけれど、図柄も美しく、綺麗に保存されていることが多く、
コレクションしている人も大勢います。
写真は引札の定番登場人物、恵比寿大黒が四斗の酒樽(さかだる)に菰(こも)を巻いている図です。

本来、引札には無印のものが幾種類もあり、各商店主は印刷屋が示す図柄から好みの物を選び、
自分の店の名前や商品の名称を刷ってもらい、顧客に無料で配ったものです。
ですから、見本のために作られた屋号のない無印の引札も多数、現存しております。

酒樽(さかだる)が図柄に選ばれるほど、木樽(たる)が当時の生活に密着していた証拠です。



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